床上小哲学|Vol.31〜40 - ふたりの床、ふたりの静けさ
床上小哲学|The Floor Notes Vol.31〜40
Vol.31|同じ床に、違う居心地。
ふたりで並んで座っても、感じていることはきっと違う。
同じローソファの上。 同じ高さの目線。
でも、背中の角度や足の向きが少し違うように、居心地も、それぞれでいい。
Vol.32|目線が合わないから、やさしい。
向かい合うより、横並びのほうが、話しやすいことがある。
床に近い暮らしは、“視線の衝突”がないやさしさを教えてくれる。
目線が合わないと、心がほどけていく時間がある。
Vol.33|並んで座ると、時間が静かになる。
おしゃべりしていなくても、スマホを触っていても、
床に座って並んでいると、部屋の時間が静かになる気がする。
話すことよりも、そこに“いる”ことが会話になっていた。
Vol.34|ソファの片方が空いている。
今日は、ひとりだけど、つい、いつもの位置に座ってしまった。
反対側のスペースが空いている。でも、それがなんだか落ち着く。
誰かの記憶って、座らなくても、そこに座ってるみたいだ。
Vol.35|ことばより、同じ姿勢。
ふたりして、足を投げ出して、同じ角度で肘をついて、
「ああ、いま、同じ気持ちかも」って思った。
言葉はない。でも、姿勢が同じだった。
その時間は、ことばより伝わるものがあった。